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年頭所感

d_1207_1_f770ac21cd88e0aca1149300dd30efc1daef4b3a_jpg2012年を迎え新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は世界的に様々な変革の年でありましたが、日本にとっては特に大変革と激動の年でした。多くの方が自然の脅威を前に生活や環境が激変するという事態を目の当たりにし、今も尚その事態は続いております。私自身、震災直後より何度か被災地へお伺い致しましたが、事態のあまりの大きさに我が身の小ささ、力の足り無さをこれでもかと見せつけられたような気が致しました。しかし、それでもなお立ち上がり立ち向かう多くの方にお会いし、ほんの一時ではありますが一緒に行動をさせていただいたことで、その逞しく力強い姿に深く心打たれたのも昨年の印象深い出来事でした。インターネット通販でご縁をいただいた皆様が、連携し支え合いながら少しでも前に進もうとするその姿は、困難の時だからこそ触れることの出来た尊い宝のように思います。2012年、私たちは今なお多くの苦難を抱えていますが、イーコマースに携わる者として何ができるかを引き続き考える年にしたいと思います。さて、改めて現状のイーコマースの世界を見渡しますと、スマートホンなどのインターネット端末機器の発展と共に利用者の裾野も広がり、従来の方法では通用しない新たな価値観が必要とされる時代を迎えています。Facebookのようなコミニティー化が加速度的に進み、利用者も今まで以上に口コミの信頼度などを意識するようになっています。店舗側は販売以外の面でも、お客様から対面販売以上の心配りを求められる事が多くなり技術だけではない昔ながらの真正直な商売がより必要となってきているように思います。最近起業されるイーコマース事業者はイーコマースリテラシーも高く販売技術に長けている事業者さんも多く、業界としてもイーコマース事業者としても、新規参入は相変わらず増加傾向にあり、さらに複数店舗化や物販に限らない各種事業の運営に着手する事業者も増えてきております。そのようなことから、業界は更に加速度的に成熟すると共に、近年稀にみる不況や広告効果の減少により、これまでの手法が必ずしも有効では無く、業態や販売形態も過渡期に来ている現状を踏まえ、我々事業者自身も柔軟な対応が求められるようになってきております。また、事業規模やそれぞれの事業者の持つインフラやシステムにも大きな差ができてきており、その結果がますます事業者の規模感やサービスレベルの差となって現れ、今後もそれは加速する傾向にあると思われます。さらに、新規参入が増加し続ける中、事業者が本来持つべき社会的責任や果たすべき役割を意識することなく、自己の利益のみの追求を図るあまりモラルに欠ける営業を行う事業者や業態が多角化する中で、本来の事業の目的や初心を見失う事業者も増えています。そういった一部の事業者の行為により、特定商取引に関する法律の改正等を含めた規制の動きも活発になってきております。しかし、このような厳しい状況下に於いてこそ、お客様の事を真摯に考え、社会的責任を重く受け止めている事業者こそが生き残って行くことと思います。今までのように、「ネットショップ」として成功したいという目的も年々その求める規模にも幅が出てきてはおりますが、イーコマースの進む現代において、イーコマース事業者がさらに社会貢献・エコ・CSR等によって、社会の一員として利益を社会全体に還元し、お客様の利益のために、また、社員従業員のために事業を継続し続けるのに適正な利潤は必要ですが、それはより堅実で正直な商売によるものでなければならないという実感を持っております。日本電子商取引事業振興財団は、業界の健全な発展の為に各種法令の遵守、社会的良識の自覚につきまして会を挙げて啓蒙してまいる所存であります。

最後に2012年が皆様にとりまして、より一層の飛躍の年になりますよう祈念して新年度のご挨拶とさせていただきます。

一般財団法人 日本電子商取引事業振興財団